Takumii

イノベーション ✕ 伝統

私たちTakumiiは、日本の伝統工芸を現代に生かし続けるという大きな夢を掲げて立ち上がった新しいベンチャーです。東京を拠点に、何世代にもわたって磨かれてきた職人技への深い敬意と、現代のツールやストーリーテリングを融合させています。

私たちの焦点はシンプルです。デジタルイノベーションとコミュニティづくりを通じて、伝統を守り、未来へつなげることです。

アルデルト・ファーンデリング

創業者について

アルデルト・ファーンデリング

グローバルブランド向けのデジタルプロダクトを10年間手掛けてきたアルデルトは、日本の伝統工芸が急速に姿を消しつつある現実を目の当たりにしました。敬愛する職人たちを支えたいという思いから、その経験を活かしてTakumiiを創業。革新と伝統を結び付け、匠の技を守り、再び息づかせることを目指しています。

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私たちの使命

日本の伝統工芸は美しい品物というだけでなく、誇りと膨大な時間をかけて磨かれてきた歴史そのものです。しかし現在、多くの工芸が存続の危機に瀕しています。売上は最盛期の約5分の1まで落ち込み、職人の数も最盛期の約3分の1に減少しました。

近代化や名匠の高齢化、後継者不足といった要因により、陶芸や染織、漆工、木工などの伝統技術が静かに姿を消しかねません。Takumiiはその流れを変えるために生まれました。私たちは伝統的な職人技と現代の機会をつなぎ、日本の伝統工芸を守り、再び活力を取り戻すことを目指しています。

私たちは熟練職人の知恵を敬いながら、その価値を伝える新しい手法を取り入れます。工芸の真価を理解するには、その背景にある物語や歴史を知ることが不可欠です。モダンなストーリーテリングやデジタルプラットフォーム、世界とのつながりを活用し、地域に埋もれてきた工芸に光を当てます。

大量生産の便利さに溢れる今だからこそ、手染めの布や手彫りの木工品に宿るような、真に触れられる体験や文化的なつながりが求められていると感じています。私たちの使命は二つ。職人が生活と継承を守れるよう支援すること。そして日本国内外の人々が伝統工芸の価値を再発見できるようにすることです。

工芸の記録から地域でのワークショップ開催に至るまで、私たちのすべてのプロジェクトは、真摯さと文化への敬意、そして持続可能な未来への想いに支えられています。この取り組みには時間と情熱、多くの支えが必要だと理解しています。それでも私たちは、小さくても丁寧な行動が未来を変えると信じ、今できる一歩から進んでいきます。

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私たちの歩み

伝統や文化が利便性のために置き去りにされがちなスピードの速い時代にあって、私たちの創業者は日本の伝統工芸に宿る献身と美しさに心を奪われました。しかし同時に、多くの工芸が後継者不足に苦しんでいる現状を知り、胸を痛めました。

このままでは、数十年のうちに伝統が途絶えてしまうかもしれないという危機感が、Takumii誕生の原動力となりました。

私たちは2025年にTakumiiを正式に設立しました。社名は「匠」を意味する日本語の「たくみ(匠)」に由来します。最後の「i」を一つ増やしたのは、伝統を大切にしながらも新しい視点を取り入れる私たちらしさを表すためです。

創業当初から、Takumiiは二つの柱で成り立っています。一つは創業者が培ってきたテクノロジーの知見、もう一つは伝統工芸への深い愛情です。

これまでの歩みの中で私たちが大切にしてきたのは、真の価値は誠実さと信頼関係から生まれること、そして大きな変化も小さな一歩から始まるという信念です。私たちは小さなチームですが、胸に抱く想いは大きい。完璧な答えを持っているわけではありませんが、学び続け、前向きに挑戦し続ける姿勢を大切にしています。

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職人プラットフォーム(デジタル工芸マーケット)

私たちが取り組む主要なプロジェクトの一つが、オンラインの職人プラットフォームです。日本各地の伝統工芸と作り手を紹介するデジタル空間を目指しています。まだ開発中ですが、描いているビジョンは明確です。

このプラットフォームはグローバルなマーケットとストーリーテリングのハブとして機能します。地域や分野の異なる職人が、自身の歩みや工房の歴史、技法、インスピレーションを紹介するページを持ち、制作過程や作品を映し出す写真・映像とともに発信します。

訪れた人は、まるで日本各地の工房をのぞくように職人のプロフィールを巡り、作り手の人柄や想いを知ることができます。一つひとつの品に物語を添えることで、支援者にとってその価値と背景を深く感じていただくことを目指します。

さらに、プラットフォームから職人の工房へ直接オーダーし、世界中のファンが一点ものの工芸品を購入できる仕組みを整えます。

テクノロジーに不慣れな職人でも使いやすいよう、できる限りシンプルでアクセスしやすい設計にします。中間業者を減らし、大量在庫を抱えない仕組みにすることで、職人が作品と収益の主導権を持ち続けられるようにします。

私たちのビジネスモデルは、卸仕入れや価格上乗せではなく、購入者からいただく小さな手数料です。例えばニューヨークやアムステルダムに住む人が、福岡の染色職人から手織りのランナーを直接購入できるようにし、誰がどのように作ったのか、支援がどこへ届くのかを明確にします。

そしてこのプラットフォームは、販売にとどまらずコミュニティと学びの場として育てます。メンターシップや見習い制度を組み込み、オンライン配信や質疑応答の場をつくり、世界中の人々と職人をつないでいく構想です。まずは厳選した職人と本物の作品から始め、確かな品質と信頼を積み重ねながら少しずつ広げていきます。

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ワークショップ、ツアー、見習い制度

デジタルプラットフォームがオンラインでのつながりを生む一方で、実際に工芸を体験することに勝るものはありません。そのため私たちは、将来的に現地での取り組みも計画しています。

すぐにすべてを実現できるわけではありませんが、これらのアイデアは確かなロードマップとして描いています。

  • 少人数制のワークショップ

    名匠と協力し、参加者が直接教わる少人数のワークショップを開催します。例えば久留米絣の染色を体験できるセッションなどを想定しています。若い世代、とりわけ学生や若手社会人がスクリーンから離れ、手を動かす喜びに触れられる機会を提供したいと考えています。ほんの数時間の体験でも、工芸への敬意や関心を育み、将来の職人や支援者を生み出すきっかけになります。

  • リスペクトのあるツアー

    国内外の方々が工芸の産地を訪れる特別なツアーを企画します。例えば能登・輪島の山里で漆器作りの全工程を見学したり、上川で刀匠の鍛錬を間近で見るような旅です。職人の作業を尊重する少人数・事前調整型の訪問とし、参加者が深く没入できる場を整えます。忘れられない体験を提供すると同時に、職人には正当な謝礼と新たな支援者との出会いを生み出します。

  • 見習い・メンターシッププログラム

    そして最も挑戦的なのが、見習い制度の整備です。多くの名匠が70代、80代を迎える一方で、後継ぎがいない現状があります。私たちは組合や文化団体、教育機関と連携し、師匠と志ある若者をつなぐ仕組みを築きたいと考えています。短期の見習いや季節限定のメンタリングから始め、候補者の紹介や奨学金の支援まで担えるような、本格的なプログラムへ成長させていきます。

目指すのは、次世代の「匠」を育むこと。今は小さな種をまく段階でも、教える意欲のある職人のリストを整えるなど、知恵の継承が連なっていく土台を築いていきます。

師匠が新しい弟子を迎えるたびに、その伝統は新たな命を得ます。そして誰かが工芸を学ぶ決意をするたびに、その技だけでなく文化的な遺産全体に明るい未来が灯ると信じています。

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つながりへの招待

Takumiiは単なるプロジェクトやビジネスではなく、コミュニティの始まりです。この想いに共感してくださる方々と歩めることが何よりの支えになります。ここまで読んでくださったあなたに、心から参加を呼びかけます。

伝統工芸の継承は、私たちだけでは成し遂げられません。多くの手と心が必要です。どうぞ気軽に連絡を取り、一緒にできることを探してみませんか。作品を紹介したい職人の方、アイデアを持つ技術者、あるいは情報を受け取りたい方など、どなたでも歓迎です。

Takumiiに連絡をくださった方には、真摯な姿勢と開かれた心で向き合います。私たちは小さなチームですが、学び続け、長く続く関係を築きたいと考えています。一つひとつの提案や励ましが、活動を磨き、前に進む力になります。

計画について質問がある方、支援が必要な職人をご存じの方、ニュースレターの配信を希望される方はぜひメッセージをお寄せください。私たちは、連絡をくださる皆さんを「ユーザー」ではなく、共に歩む仲間としてお迎えします。

まだ小さく生まれたばかりのTakumiiですが、あなたのような存在がいてくれるからこそ、意味のある活動へと育てられると信じています。共に日本の職人たちの宝を未来へと輝かせていきましょう。

ぜひお話ししましょう

ワークショップやツアーの企画、職人との橋渡しなど、次の一歩をご一緒できることを楽しみにしています。

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